後立山 高尻山(677.4m)、白鳥山(1286.9m)、下駒ヶ岳(1241m)、菊石山(1209.8m)、黄蓮山(1360m)、犬ヶ岳(1592.5m)、サワガニ山(1612.3m)、黒岩山(1623.6m) 2014年9月20〜21日  カウント:画像読み出し不能

所要時間

9/20
6:28 坂田峠駐車場−−6:30 坂田峠−−7:22 水場−−8:35 白鳥山 8:37−−8:46 水場−−9:38 下駒ヶ岳(休憩) 10:16−−10:43 菊石山−−10:54 水場(休憩) 11:11−−11:44 黄蓮山−−12:40 栂海山荘(泊)

9/21
5:36 栂海山荘−−5:42 犬ヶ岳−−6:05 水場−−6:36 サワガニ山−−7:30 黒岩山(休憩) 7:55−−8:48 サワガニ山−−9:14 水場−−9:47 犬ヶ岳−−9:52 栂海山荘(休憩) 10:41−−11:17 黄蓮山−−11:31 水場−−11:44 菊石山−−12:14 下駒ヶ岳−−13:01 水場 13:11−−13:21 白鳥山(休憩) 14:25−−15:04 水場−−15:32 坂田峠 15:36−−16:09 高尻山−−16:37 坂田峠−−16:39 坂田峠駐車

場所新潟県糸魚川市
富山県下新川郡朝日町
年月日2014年9月20〜21日 避難小屋泊
天候概ね晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場坂田峠直下の駐車場
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望高尻山:樹林で展望無し
白鳥山:小屋の上に登れば大展望
下駒ヶ岳:樹林で展望無し
菊石山:樹林で展望無し
黄蓮山:樹林で展望無し
犬ヶ岳:大展望
サワガニ山:大展望
黒岩山:大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
1日目
2日目
コメント坂田峠から黒岩山を往復という無駄なルート取り。後で考えたら電車利用で親不知〜黒岩山〜小滝駅と周回すればよかったと反省。栂海新道はよく整備され半ズボンで問題なく歩けた。犬ヶ岳より上部はほぼ森林限界を超えて展望良好。水場はシキ割手前はかなり細く、白鳥山南も細い。黄蓮山北鞍部の水場はまあまあの水量だった。白鳥小屋、栂海小屋とも良好。栂海小屋はさわがに山岳会の所有で、任意だが\2000/人の料金。小屋の使用料だけではなく栂海新道の整備費としても支払いたい。栂海小屋は50人近く宿泊可能。小屋前に幕営スペースあり。白鳥小屋は糸魚川市が管理で2階建。

 黄蓮山は現地の標識があるピークと日本山名事典の場所が異なるが、ここでは現地標識の場所を山頂とした


1日目ルート断面図
2日目ルート断面図



坂田峠駐車場。この他にもっと広い駐車場あり 坂田峠方面林道
坂田峠から親不知方面 坂田峠から白鳥山方面
いきなり急登 階段もありよく整備されている
最初のピーク 水場。かなり細い
さらに登る 白鳥山山頂の白鳥小屋(糸魚川市管理)
裏手には展望台あり 白鳥山から見た南方向
白鳥山南側の水場入口 水場は細い
これから歩く稜線 下駒ヶ岳の登りはガレの縁
下駒ヶ岳 まだ犬ヶ岳は遠い
菊石山 菊石山南鞍部のブナ林
水場分岐 黄蓮の水場はそこそこ水量あり
黄蓮山(1360m峰) 稜線の樹林が低くなる
振り返る 栂海山荘
栂海山荘入口(北寄り) 栂海山荘入口(南寄り)
豪快なトイレ 増設に次ぐ増設があったようだ
栂海小屋内部。一番広い部屋を見ている。南側(壁の向こう)に別の部屋あり
栂海小屋前からの朝の風景(クリックで拡大)
栂海小屋前から見た後立山 栂海小屋前から見た劒岳
犬ヶ岳から見下ろした栂海山荘 犬ヶ岳山頂
犬ヶ岳から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
犬ヶ岳から見た日の出 犬ヶ岳から見た初雪山
初雪山山頂の電柱 犬ヶ岳南鞍部の水場入口
サワガニ山山頂
サワガニ山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
朝露たっぷりの草付き 文子ノ池
間もなく黒岩山 黒岩山山頂
黒岩山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
犬ヶ岳へ逆戻り 栂海山荘到着
熊の糞 ガスってきた。涼しくて助かる
黄蓮の水場で男性のザックあり 白鳥小屋内部。非常にきれい
坂田峠で軽装で高尻山往復 ブナ林を歩く
高尻山山頂 坂田峠駐車場着。お疲れ!


 一般的には後立山最北端は朝日岳と認識されているだろう。ただし山脈と登山道はまだ北に続いて最後は日本海の親不知に達する長いルートがある。栂海新道だ。一般的には後立山縦走から下山に使われると思うが、私の場合はあの付近の2000m級の山は登り尽しているので上から攻めるのは無駄が多いと考えた。悩んだ結果、初日の睡眠時間、体調等を考慮して親不知ではなく坂田峠を起点とし、黒岩山を往復することにした。途中で宿泊が必要だが犬ヶ岳直下の栂海山荘がちょうどいいだろう。

 お彼岸の飛び石連休の土日に実行。金曜は車の移動が長い。練馬から親不知まで一気に走る予定だったが長野道と合流した付近で眠気に耐え切れずにダウン。2時間ほど仮眠して再スタート、親不知ICで降りる。あとはカーナビの案内で坂田峠へ。ナビは県境付近から東へ逆戻りするようなコースを案内したが、結果的にこれが正解だった。外波川沿いの道から入ると途中で道が崩れて通行止めだった。

 夜間工事が数箇所あったが無事に通過して坂田峠直下の駐車場到着。先週の新穂高とは大違いで車は皆無。栂海新道が混雑することはないだろう。短いながら仮眠。

 翌朝、眠い目を擦って起床、睡眠不足で頭が重いが頑張らねば。出発準備していると車が1台やってきたが、登山ではなく金山跡の散策とのこと。坂田峠から東に降りたところにあるようだ。

 本日の装備は標高が低いので3シーズン用シュラフ。テントはどうするか悩んだが念のために持つことにした。本当はツェルトでいいのだが残念ながら家に置いてきてしまった。食料は一応2泊分。水は途中で得られるので500ccのみ。まだ暑そうなので麦藁帽子も準備。

 最初は短距離の舗装道路歩きですぐに坂田峠。ここから登山道に変わっていきなり急登が続く。ただし道の整備状況は良好で半ズボンで全く問題なし。まだ気温は低いので虫は少ないが皆無ではなく、早速足を数箇所刺された。最初から虫除けを塗っておけばよかった。

 傾斜が緩むと「金時坂の頭」の標識あり。周囲は樹林で展望なし。刈り払われた明瞭な道を登っていくと二重山稜のような複雑な地形が登場、ここで右手に水場があった。かなり細いがまだここで汲むには早いので備え付けのコップで1杯いただいた。この辺で山ガール2名とすれ違う。この時間だと白鳥小屋泊かな。

 この先はガンガン登っていく。日が高くなってきて気温が上がっているはずだが標高も上がっているのでずっと10℃のまま。まあまあ快適な温度で大汗をかくほどではない。登り切ったピークが白鳥山で2階建ての立派な避難小屋が建っていた。帰りに中を見たが非常にきれい。裏手に回ると屋根の上に小さな展望台があって梯子で登れるようになっていた。山頂は周囲を木に囲まれ南を除いて景色は見えないが、展望台に登れば360度の展望を楽しめるだろう。

 出発しようとすると犬ヶ岳方面からやってきた登山者あり。こちらは犬ヶ岳泊だろう。白鳥山から犬ヶ岳が見えるがまだまだ遠く途中のアップダウンが多い。

 大きく下ると鞍部まで下らないうちに水場分岐が登場、帰りに立ち寄ってみたが登山道から2分程度、かなり水量は細くコップを満たすので2,30秒かかるが、白鳥山山頂から近い部類なので犬ヶ岳方向から歩く場合は重い水を担ぐ距離が短くて済むので貴重な存在だ。

 大きく下って大きなガレの横を通って登ったピークが下駒ヶ岳。まだ標高不足で樹林に囲まれて展望が無い。もったいないが再び下って登り返したピークが菊石山でここも樹林で展望なし。次の鞍部は背の高いブナが立ち並ぶ気持ちのいい場所で、黄蓮の水場がある場所。水場は鞍部から下るのかと思ったら、鞍部より犬ヶ岳側に少し登ってから東へと下っていく。ここから犬ヶ岳まで水場がないのでここで水汲み。意外に近く登山道から1分くらいで水源の沢に到着。まあまあの水量だが水の流れが岩に張り付いていてちょっと汲みにくい。それでも500ccのペットボトルを満たすのに10秒程度しかかからないので充分だった。ここでしばし休憩。

 水3リットルを担いで重くなったザックを背負って出発。ここから犬ヶ岳までは大きなアップダウンはなくほぼ登り一辺倒。黄蓮山は山名事典では1291m標高点を山頂としているが現地では1360m峰を山頂としていた。こちらの方が山頂っぽいのは間違いない。

 高度を上げると徐々に木の高さが低くなってきて尾根上の展望が良くなってきた。木が無いと風が吹き抜けて体感温度が下がる。今日は風は弱いので扇でパタパタやりながら歩いているが、やっぱり自然の風は体全体を放熱してくれるので涼しさが違う。

 痩せた尾根もあるが危険個所は無く、徐々に犬ヶ岳とその東直下に建つ栂海山荘が近づいてくる。最後の一登りで栂海山荘に到着。東側は平坦地でヘリポートになっていた。無人小屋にヘリポートは驚き。通常はテント場になるのだろうか。小屋は2階建てで2箇所入口があった。かなりがっちりした作りの小屋で隙間風もなさそうだ。ここだと冬場の積雪で壊れない強度が必要だから、それなりの小屋でないと倒壊してしまうのだろう。

 まだ時刻が早く先客はいなかった。部屋は細かく分かれていて管理人室なんてものもあったがそこは施錠されていた。盗まれたりする可能性のあるものを収納してあるのだろう。一番広い部屋の他に南に飛び出した小さい部屋があり、そちらに陣取ることにした。部屋の床には全面銀マットが敷かれ多量の毛布まで準備してあった。これならマットや寝袋さえ不要。至れり尽せりだ。

 小屋の説明書きによると、ここは個人(団体)の所有物とのことで、それを開放してくれているのだからありがたい。任意だが小屋利用料(+栂海新道の整備費用)のため\2000/人の寄付をお願いとのことなので、帰りに料金箱に入れてきた。どうやら栂海新道のメンテは行政ではなく山岳会でやっているようだ。凄すぎる。これまで歩いたルートの整備状況はずっと良好だったし、このレベルを維持するにはかなりの労力が必要だろう。

 この日は合計7人が宿泊。私を含め4人が登り方向、3人が日本海への下り方向。意外にも登りで利用する人がそれなりにいるようで驚いた。小屋は断熱性がよく、明け方でも10℃までしか下がらず快適だった。

 翌朝、今日はロングコースなので早めに出発。明るくなってすぐに行動開始。まずは黒岩山往復で予定は6時間程度。天候は晴れで暑くなりそうで、防寒具はゴアと長袖シャツだけにして飯、水の軽装で出発だ。

 早速犬ヶ岳から下ってくる2人組が登場、どこから出発したのかと思ったらサワガニ山で幕営だったそうだ。前日は栂海山荘を目指したが時間切れだったそうだ。ご苦労様でした。

 犬ヶ岳山頂は森林限界を超えて好展望。これから歩く黒岩山までの稜線がはっきり見える。大きなアップダウンは無いようだが距離が長い。しかし振り返って見る白鳥山の方がもっと遠く、小屋に戻ってから先がきつそうだ。

 サワガニ山までの間にいくつかピークを越えるが、この高度だとどこも森林限界を超えて展望のいいピークだった。すぐ西側には初雪山。でもここは登山道は無く藪山なので、初雪の時期ではなく残雪期に登るべき山だろう。よく見ると山頂には電柱のような物が立っていて、雨量計か何かが設置されているようだ。

 サワガニ山のピークも同じく大展望。黒岩山がやっと近づいてきた。よく見ると先行している男性の姿あり。追いつけるかな。途中、小さな池があったが「文子ノ池」との標識があった。この付近は草が生えていて朝露でたっぷりと濡れていた。

 やっと黒岩山が目の前に迫り、最後に急登をこなして山頂に到着。ここが今回の最終目的地。先行していた男性が休憩中で、話を聞くと昨日は親不知に車を置いて歩き、栂海山荘泊。これから中俣山経由のルートを下って小滝駅まで歩き、親不知へ電車で戻って車を回収する周遊ルートを取っていた。そうか、俺もそうすればよかったかなぁ。坂田峠まで車で上がって標高差を稼ぐのもいいが、アップダウンのある同じコースを戻る労力を考えるとお得だったかどうか疑問だな。男性は少しの休みで出発した。その直前に朝日岳方面から若者が下ってきたが、休憩することなく通過していった。4時に朝日小屋を出発したと言っていたが、たぶんここまでノンストップだろう。えらい健脚だ。このまま今日中日に親不知まで下山だろうか。こちらは坂田峠までだがまだ先は長くのんびり休憩してから出発。

 下山方向の男性よりも私の方が軽装なので徐々に差が詰まって、犬ヶ岳山頂で追いついた。ここまで男性は休憩なし、えらい勢いだった。さすがに栂海山荘で休憩していたが、それでも私よりずいぶん先に出発していった。

 小屋に戻って荷物をパッキング、小屋の掃除をして休憩してから出発した。いつのまにか雲が出て下界はガスで見えなくなっていた。日差しが遮られて涼しいのは助かる。黄蓮の水場には健脚の若者のザックが立っており人間の姿は無し。水場で休憩中らしい。こちらは水の補給はまだ不要なのでパス。菊石山、下駒ヶ岳を越えて白鳥山南側の水場で少々給水。コップだけ持って進んでいくと数分で水源に到着。ここは水量が細く岩に張り付くように少ない水が流れるだけ。500ccの水を汲むのに1分くらいかかるのではなかろうか。今回はコップ2杯ほど水を飲んだだけ。

 ザックを背負って白鳥山に登り返し白鳥小屋で大休止。犬ヶ岳より標高が落ちた影響か雲が薄くなり日差しが暑くなってきたので小屋の中の日影が心地よかった。ひっくり返って休憩していると、黄蓮の水場で休憩していた若者が到着。休憩して親不知を目指すのかと思ったら白鳥小屋で宿泊とのこと。おお、意外に常識的だった。休みながらいろいろ話したが、明日親不知まで下れば上高地から日本海までつながるとのこと。もちろん、今回の1回の縦走でつながったわけではなく数回に分けて歩いたそうだ。今回は6泊とのこと!私には真似できないな。

 今日は他にどれくらい登山者がやってくるかわからないが、それほど多くはないだろう。若者を残して私は出発。夕方に向かって気温が低下し始めて割と快適に歩けた。坂田峠で大ザックをデポしてアタックザックで高尻山を目指す。ここは坂田峠から攻めた方が近そうなので、せっかくなので登っておくことにしたのだ。エアリアマップによると上り下りとも40分となっていた。暗くなる前には戻ってこられるはずだ。

 ブナ林に囲まれた良好な道を上がってからは緩やかな道が続く。右手に明らかな高みがあるがそこは尻高山ではなく、目的地はそのピークから西に派生した尾根上にある小ピークだ。登山道は東西に延びる尾根に乗り、進路を西に変える。相変わらず気持ちのいいブナ林が続く。山頂を目指すのに緩やかに下っていくのが何とも・・・。そして僅かに登り返したところが目立たない尻高山山頂だった。登山道の右側に小さな広場があって石仏と三角点あり。これで今回の山頂は全て完了。

 坂田峠に戻って駐車場に下るともう日は傾きかけていた。今日はよく歩いた。 

 

都道府県別2000m未満山行記録リストに戻る

 

2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る